【症例】難症例・根の病気と歯周病が併発した症例2(世界基準の精密根管治療と最先端の歯周組織再生療法を用いて全ての問題を解決)
- 投稿日:2025.01.22
- カテゴリー:再根管治療
治療概要
治療内容 | 精密根管治療・組織再生療法 | 期間 | 1ヶ月(経過観察期間を含める) |
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治療回数 | 4回(他、抜糸、術後3ヶ月後、1年後の経過観察等を除く) | 費用 | 680,000万円(税込)上部被せ物(ジルコニアクラウン)を含む |
治療前の状態・主訴
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術前写真①
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術前写真② 赤線で囲う部位は病変を示す
患者様は数年前にかかりつけ医で根管治療を行い、セラミックを装着されたとのことです。しかし治療直後より右下の歯茎の腫れをおかしいと思い、かかりつけ医に相談したところ経過観察を促され、そのまま放置していたとのことでした。今回、歯ぐきの腫れがひどくなったことから、再度かかりつけ医に相談したところ抜歯を宣告されたとのことです。
患者様は数年間同じ症状をかかりつけ医の先生に訴えるも、その都度に経過観察と伝えられ、最終的には抜歯と言われたことに納得することができず、当院に来院されました。
術前の写真を確認すると根の先端から広がる病変の影は歯の股の部分まで大きくなっていることが確認できます(術前写真②)
治療詳細
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写真1術前
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写真2術中
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写真3術後
通法通り根管治療を施したことで歯ぐきの腫脹は改善したものの、分岐部(歯の股の部分)の歯周病に治癒傾向は確認されず(写真1術前)歯周病の治療に移行する判断をしました。
歯周病専門医による組織再生療法を行なった際にはレントゲンで透過像(黒い影)があった歯の股の部分の骨は著しく欠損していました(写真2術中)。骨の欠損部分に組織再生治療を行い、さらに3ヶ月の経過観察を行い生体の治癒を待ちました。
治療後の様子
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術前写真
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術後3か月写真
歯周組織再生療法3ヶ月後には分岐部(歯の股の部分)に確認されていた歯周病(術前写真)は完全に治癒していることを確認しました(術後3か月写真)。また同時に、術前に確認できた根尖性歯周炎も綺麗な治癒が確認できたことから最終補綴処置へ移行しました。今後最低2年間は歯肉、根尖周囲組織の治癒経過を患者様にご協力いただき確認していく予定です。
組織再生療法後3ヶ月の歯ぐきの状態(仮歯)
主な副作用・リスク
・歯周組織再生療法の治癒は個人差があります。
・下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。
・術中に予期せぬ歯根破折が確認された場合、処置は中止させていただくことがございます。
<目白マリア歯科では、世界基準の精密根管治療と最先端の歯周組織再生療法で難症例に対応可能です>
今回の症例は、根の病気(根尖性歯周炎)の発症後、治療開始までに時間が経過してしまったことで歯周病をも併発してしまった症例でした。通常、根尖性歯周炎発症後に歯周病を併発してしまっても3ヶ月から6ヶ月以内に治療を開始することができれば歯の周りの組織(歯根膜)の損傷は限定的であることから精密根管治療(歯内療法)での加療により改善できる可能性は高いです。一方で、6ヶ月以上の時間が経過してしまった場合には歯周組織の損傷(歯石の付着など)が生じることから精密根管治療を施したとしても歯周病の改善は認められない可能性は高くなります。
このような複数の要因が病気の原因になっている場合(コンプロマイズド症例)は精密根管治療だけでは治癒に導くことが難しい場合があります。精密根管治療はあくまで歯の中(神経管)に治療を施すことを専門としていることから、歯周組織(歯の周りの組織・骨・歯ぐき)にまでトラブルが波及している症例に対しては歯周病専門医による加療が必須になる場合もあり、1本の歯を保存するために複数人の専門的な技術が必要になります。
目白マリア歯科では、このような難症例に対しても複数の分野の専門医が歯を保存するためのチームを結成し治療することで予後が不安定な症例でも高い確度での治療を実現しております。
ご自身の病状、治療の内容が気になる方は精密根管治療初回カウンセリング、歯ぐきに関する相談・カウンセリングにお越しいただければと思います。

院長宮澤 仁Miyazawa Jin院長紹介ページはこちら
専門分野
- ・根管治療(歯内療法)
所属
- ・アメリカ歯内療法学会
- ・日本歯内療法学会
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