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【症例】生活歯髄切断法を用いて歯髄保存した症例−歯の神経を保存できる虫歯処置−

目白マリア歯科0125生活歯髄切断法を用いた歯の神経の保存症例レントゲン写真

治療概要

治療内容 生活歯髄切断法 期間 1週間
治療回数 1回〜2回 費用 6万円+税

治療前の状態・主訴

  • 目白マリア歯科0125生活歯髄切断法を用いた歯の神経の保存症例治療前レントゲン画像

赤丸部分:う蝕(虫歯)部位

 

夜になるとズキズキ痛みがでることを主訴に来院された患者様です。1年前に他の歯科医院を受診したのを最後にクリーニングや定期検診には通っていなかった。

治療詳細

診査の結果、虫歯の進行はレントゲン上歯髄まで達していると思われましたが、厳密な歯髄診査の結果、診断は可逆性歯髄炎であり、生活歯髄切断法が適応になると判断いたしました。

治療後の様子

  • 目白マリア歯科0125生活歯髄切断法を用いた歯の神経の保存症例術後レントゲン画像
  • 目白マリア歯科0125生活歯髄切断法を用いた歯の神経の保存症例術後レントゲン画像とレジン、MTA部分

軟化象牙質(虫歯)を完全に除去した後に、歯髄を2mm程切断し、MTA(歯科用コンクリート)を充填しました。

2週間後の2回目来院時に生活歯髄反応が正常であることを確認し最終補綴に移行しました。

主な副作用・リスク

・MTAを使用した生活歯髄切断法は自費治療になります。
・予後不良と判断した場合は歯内療法が必要になる場合があります。
・術後、一時的に歯髄炎が悪化する場合があります。

初期段階の歯髄炎であれば生活歯髄切断法により歯髄(歯の神経)を保存できます。正確な診査を行い、保存できる歯髄は保存する、病的なものは治療することでより予知性の高い治療を行うことが可能です

目白マリア歯科0125生活歯髄切断法を用いた歯の神経の保存症例ビフォアアフターのレントゲン写真

今回は虫歯の痛みは感じていたものの、診断は可逆性歯髄炎(一時的な歯髄炎)であったため、生活歯髄切断法を行いました。
この治療の利点としては歯質切削量(歯を削る量)が根管治療を行う時よりも少ない為、歯をより保存することが可能になります。

しかしながら、欠点としては予後不良時には痛がでたり、根管治療が困難になる可能性があることです。生活歯髄切断法は将来的な予後不良を防ぐために確実な診査と診断と、しっかりとリスクを把握した上で行うべき治療です。


まず、歯髄の正確な診断は臨床上不可能である(※歯髄の正確な診断は歯髄の組織片を顕微鏡で確認する必要がある)ため、術前に冷温水痛や電気診査などの総合的な診査を行いかつ、正確な診断力が必要になります。生活歯髄切断法の術前の診査は歯髄の状態や根尖周囲組織について正確に診断を行うようトレーニングされている歯内療法専門医が最も良いと考えられます。


以前までは生活歯髄切断法の成功率はさほど高くはないとされてきました。
しかしながら、MTA(歯科用コンクリート)の発明によりその成功率は高くなりました。
生活歯髄切断法は外部からの漏洩(唾液による感染)があると根管内に一気に感染が広がり失敗に繋がります。MTAは無機質であることから生体親和性が高く(体に害が少ない)、また、硬化時に膨張することから封鎖性にも優れています。
今までは封鎖する術がなかったため、数ヶ月間歯髄表面に水酸化カルシウムを置いたり、数回に分けて徐々に虫歯を除去するなどして、歯髄の石灰化を促し歯髄を保存する必要がありました。
その術式には多くの時間が費やされるため次のアポイントまでの待ち時間中の感染が懸念されていました。MTAを使用した歯髄断髄法は1回〜2回の治療で完了し、その後の補綴処置もスムーズに行えることが利点です。


また、失敗の原因として診断や術中の手技も大きく予後を左右します。歯髄を感染させないことはもちろんのこと、歯髄の取り扱いを間違えると歯髄は石灰化を起こしやすいのです。石灰化は決して失敗ではないですが、万が一失敗となった場合に根管治療が難しくなるため石灰化しないほうが良いとされています。

生活歯髄切断法の成功率は近年約90%以上という文献が多く確認できます。9年間のフォローアップでは97%以上とされている文献もあります。(J Am Dent Assoc 2008)


初期の段階の歯髄炎であれば歯髄を保存することが可能です。歯内療法専門医が行う根管治療の成功率は95%以上ですが、歯髄も生体の臓器の一部であることからなるべく保存させたほうが良いと考えられます。
正確な診査を行い、保存できるものは保存する、病的なものは治療することでより予知性の高い治療を行うことが可能です。

 


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